レモンユーカリの精油とは?成分・製法・使われ方をまとめてみた

chakin
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レモンユーカリが虫除けとして話題になるとき、よく出てくるのが「精油」という言葉です。

でも、精油って何なのか、ちゃんと説明されている記事は意外と少ない気がします。

この記事では、レモンユーカリの精油とはどんなものか、どうやって作られるのか、どんな成分が含まれているのかを、私なりに整理してみたいと思います。

なお、この記事では「虫除けに効く」といった効果効能については書いていません。日本では植物由来の香り成分は雑貨扱いのため、法律上そのような表現ができないからです。その代わりに、成分の特徴をできるだけ正確に整理しています。


精油とは何か

精油(エッセンシャルオイル)とは、植物の葉・花・果皮・樹皮などから抽出した、香り成分の濃縮液です。

レモンユーカリの場合は、から抽出します。抽出方法として最も一般的なのが、水蒸気蒸留法です。

葉を蒸して、立ちのぼった蒸気を冷やすと、水と油に分かれます。この油のほうが精油です。ちなみに、残った水のほうも芳香蒸留水(フローラルウォーター)として利用されます。

こうして得られるのが、植物そのものの香り成分をぎゅっと凝縮した「精油」です。数字でいうと、精油はごく少量しか採れません。だから小さな瓶であの値段がする、というわけです。


レモンユーカリ精油の主成分・シトロネラール

レモンユーカリの精油に最も多く含まれる香り成分が、シトロネラール(citronellal) です。

  • 化学式:C10H18O
  • 特徴:レモンのような爽やかな香り。比較的揮発しやすい性質をもつ成分です。香りは立ちやすい一方で、長時間続くタイプではありません。
  • 含有植物:シトロネラ、レモングラス、レモンユーカリなど

シトロネラールは、レモンユーカリだけに含まれる成分ではありません。ただ、レモンユーカリはその含有率が特に高い植物として知られています。

シトロネラール以外には何が入っているのか

精油は単一の成分ではなく、何十種類もの香り成分の集まりです。レモンユーカリ精油の場合、分析例では次のような構成が報告されています(産地やロットによって幅があります)。

成分おおよその割合
シトロネラール約65〜76%
イソプレゴール約6〜10%
シトロネロール約3〜7%
その他微量成分多数

注目したいのは、シトロネラールだけで7割前後を占めるという偏りです。精油としてはかなり主成分に寄った構成で、これがレモンユーカリの香りの個性をつくっています。

そして、この記事の後半で出てくるメンタンジオール(PMD)は、まさにこのシトロネラールを原料にして作られます。7割がシトロネラールという特徴が、そのまま「PMDの原料として選ばれる理由」になっているわけです。

なぜレモンでもないのにレモンの香りがするのか

レモンユーカリはミカン科ではなく、フトモモ科の樹木です。レモンとは植物としてまったく縁がありません。

それでもレモンのような香りがするのは、シトロネラールという成分が、レモングラスやシトロネラなど”レモン系の香り”を持つ植物に共通して含まれているからです。香りは植物の分類ではなく、含まれる成分で決まる——レモンユーカリは、それがよく分かる例だと思います。

同じ「ユーカリ」でも精油はまったく違う

ユーカリの精油としてよく売られているのは、ユーカリ・グロブルスやユーカリ・ラディアタです。これらの主成分は 1,8-シネオールで、鼻に抜けるようなすっきりした香りがします。

一方レモンユーカリ(ユーカリ・シトリオドラ)は、主成分がシトロネラール。同じユーカリ属でも、香りの印象はまるで別物です。

「ユーカリの精油」とひとくくりにされがちですが、どのユーカリかで中身が変わります。虫よけの文脈でレモンユーカリが名指しで登場するのは、この成分構成の違いによるものです。


精油タイプの特徴:精油そのものを使うということ

精油をそのまま使った商品の特徴は、植物そのものの香りが生きていることです。

加工や精製をほとんど経ていないため、シトロネラールをはじめとする香り成分が自然な形で含まれています。

ただ、揮発しやすい成分が多いため、香りは広がりやすい一方で、長時間残りにくいという性質があります。

アロマスプレー、ディフューザー、精油単体など、さまざまな形で楽しまれているのが精油タイプです。

精油を扱うときに知っておきたいこと

精油は「濃縮された植物成分」なので、扱いにはいくつか基本があります。

原液を肌に直接つけない。 精油は非常に濃度が高いため、そのまま塗ると刺激になることがあります。肌に使う場合は、植物油などで薄めるのが一般的です。

猫のいる家庭では注意が必要。 猫は一部の精油成分を代謝しにくいとされ、獣医療の分野では精油の使用に慎重な意見があります。ペットのいる空間で使うときは、獣医師に相談するのが安心です。

保管は冷暗所で。 光や熱で成分が変化します。開封後は早めに使い切るのが基本です。


精油とは違う成分・メンタンジオール(PMD)について

レモンユーカリには、精油とは別に メンタンジオール(PMD、p-メンタン-3,8-ジオール) という成分があります。精油に元から入っているのではなく、精油の主成分シトロネラールを加工して作られる成分です。

ここで一つ注意したいことがあります。「レモンユーカリの精油」と、「メンタンジオールを高濃度に精製した虫よけ用の成分」は、別物だということです。名前や原料が同じでも、精油そのものと、加工して虫よけ成分として登録されたものは、海外の公的機関でも明確に区別されています。

違いを整理すると、こうなります。

精油(シトロネラール系)メンタンジオール(PMD)
成り立ち葉を蒸留して得るシトロネラールを加工して作る
主成分シトロネラールメンタンジオール
揮発のしやすさ揮発しやすい揮発しにくい
香り植物そのものの香り香りは控えめ
海外での扱い香りの素材虫よけ成分として登録

くわしい成分の話は、こちらの記事にまとめました。

👉 レモンユーカリの虫よけ成分「メンタンジオール(PMD)」とは

👉 OLEとPMD、何が違うの?混乱しがちな2つの成分を整理してみた


まとめ

  • レモンユーカリの精油は、葉を水蒸気蒸留して得られる香り成分の濃縮液。
  • 主成分はシトロネラールで、全体の7割前後を占める。ほかにイソプレゴール、シトロネロールなど。
  • 同じユーカリでも、グロブルスなどは1,8-シネオールが主成分。レモンユーカリだけが別系統の香り。
  • 精油に含まれるシトロネラールを加工して作られるのが、メンタンジオール(PMD)。名前は似ていても別の成分。

※成分の割合は分析例をもとにした目安で、産地や製造ロットによって変動します。

👉楽天で買えるレモンユーカリ精油使用の商品まとめ|虫除け・アロマ・ペット用まで

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チャキン
チャキン
元庭師の主婦/レモンユーカリのひと
レモンユーカリという一種類のユーカリだけを追いかけています。鉢で育てて2年目。日本各地に実物を会いに行った記録と、虫よけ成分メンタンジオールのことを書いています。
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